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節点の法線の計算

節点の法線の計算(サブルーチン「gen3dnor.f」)はセクション6.2.13 and 6.2.31で説明されている非常に複雑なアルゴリズムを使って行なわれます。1つの節点には複数の法線が存在する可能性があります。例えば屋根の折り返し部分の節点などがそれです。各法線は要素の拡張時に使用されるので、2つの法線を持つ節点では2回の拡張が行なわれ、それらは部分的に重なり合います(図60)。理論的には拡張は節点が属する要素で必要な回数だけ行なわれます。従って拡張結果と法線を保存するために、フィールド kon で要素トポロジーを保存するのと同じ様に構造体を使用します。

フィールド kon は1次元フィールドで、全ての要素のトポロジーを順次格納しています。エントリー ipkon(i) はフィールド kon 内の、要素 i のトポロジーが開始される直前の位置を指します。つまり要素 i の1つ目の節点はフィールド kon の位置 ipkon(i)+1 に、最後の節点は ipkon(i)+numnod に存在します。ここで numnod は要素の節点数で、例えば20節点要素であれば20になります。以上から要素 j のローカル位置 m はグローバル節点番号 kon(ipkon(j)+m) に対応します。さて同様の構造は法線と拡張節点にも使用されています。これらの変数はグローバル節点番号というよりはむしろ要素内のローカル位置と強く結びついているからです。この目的のためには2次元フィールド iponor、1次元フィールド xnor、knor が使用されます。

エントリー iponor(1,ipkon(j)+m) はフィールド xnor 内にある、要素 j のローカル位置 m の法線の位置を指します。つまり法線の3成分は xnor(iponor(1,ipkon(j)+m)+1)、xnor(iponor(1,ipkon(j)+m)+2)、xnor(iponor(1,ipkon(j)+m)+3) に保存されています。同様にエントリー iponor(2,ipkon(j)+m) はフィールド knor 内にある、要素 j のローカル位置 m での拡張によって新たに生成される節点の位置を指します。つまり3つの新しい節点は n=1、2、3 として knor(iponor(2,ipkon(j)+m)+n) に保存されます。節点番号の順序は図59に示す通りです。これらは2次元要素の拡張に対しても当てはまります。ビーム要素の拡張では xnor は6つのエントリーを持ち、3つのエントリーは単位ベクトル1に、3つのエントリーは単位ベクトル2に割り当てられます(図63)。つまり xnor(iponor(1,ipkon(j)+m)+1),...,xnor(iponor(1,ipkon(j)+m)+6) です。フィールド xnor はキーワード・カード *NORMAL で設定された値で初期化されます。

処理は以下の様に実行されます。まず要素 i に対してその節点が所属している全ての2次元要素が決定されます。次にセクション6.2.13で説明されている処理に基づいて、*NORMAL キーワード・カードによって事前定義された法線をはじめとしたそれら要素の法線が決定されます。厚み・オフセットの不連続な変化、要素タイプの変化(例えばシェル要素に隣接した平面応力要素)に対しては追加法線が定義されることに注意してください。従ってこの段階では異なる法線よりもむしろいくつの異なる拡張が必要かが焦点になります。例えば平板の厚みが不連続に変わったとすると、不連続位置での節点では2つの異なる拡張が必要になりますが法線は変わりません。次に、節点 i が属している全てのビーム要素が決定され、法線も同じやり方で決定されます。それぞれの節点に割り当てられている法線は拡張のために使用されます(2次元要素では3、1次元要素では8つ)。全体で1つの法線だけで十分な場合、節点の回転自由度が拘束されているかモーメントが適用されていなければノットは存在せず、剛体を定義する必要はありません。複数の法線が存在するか、回転自由度が何らかの方法でユーザーによって扱われている場合には、剛体が生成されます。剛体定義ではシェル、ビームの拡張節点の全てが考慮されます。平面応力要素、平面ひずみ要素、軸対称要素では中央節点だけが考慮されます。


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guido dhondt 2016-03-08