本類は専ら台秤の各種類を集む。機構としては並行クランクとテコの組合なり。一般に秤は分銅の位置が計るべき重量を示すものなるときはその腕(アーム)が水平に平衡するが重量に少しく増減あらば腕が傾斜して平衡するは支点が力点と重点を連結する直線よりも少しく上にあるが為めにして、其の距たりの度少なき程感度大なり。本類の説明は支点、力点、重点が一直線をなす様に説きたるが実際の構造にては上述の如き設計とすべきなり。一般に台秤の特長は荷物 P を秤台の何れの部に載するも分鋼 Q が同一の位置に掛りて平衛する事とす。
1243 は並行リンクにして 24, 13 は垂直なり。点 5 より直線 24 に至る距離は 10.11 に等し。リンク 5.10 はリンク 12 と 10.12 とが同時に水平なる様に連結す。平衡状態においては力 P と Q の比は一定す。
即ち P:Q=11.12:11.10
故に分銅 Q の重量一定ならば普通の天秤に見るが如く P は長 11.12 に正比例す。
リンクの組合は全く (130) と 同一にして秤台の構造が異なるのみ。秤台は何れも其の水平板あるいは皿を為す。
3 はテコ 4.11 の中点、2 はテコ 16 の中点。この両テコが水平なるときリンク 32 は垂直を為す。秤台 9 の両脚はそれぞれ 4, 6 にて蝶番せらる。9 より下れる脚 95 は 56 と一体を為す。平衡状態においては力 P と Q の比は一定す。
即ち P:Q=11.12:4.11
回りツガイの中心 1, 2, 3 及び 4, 5, 6, 8 はそれぞれ一直線上にありて 13 は 12 の三倍、46 は 45 の三倍にしてリンク 11.12 と同時に水平の位置を取る。(134) ないし (137) 図も亦之に倣う。平衡状態においては秤台 9 に載する荷物 P と分鋼の重量 Q との比は一定す。
13 は 12 の三倍、86 は 87 の三倍、14 は 13 の二倍。秤台 99、テコ 14, 68, 10.12 は同時に水平を為す。
平衡状態においては P と Q との比は一定す。
46 は 45 の三倍、11.13 は 11.10 の二倍、1.3 は 1.2 の六倍。秤台 99、テコ 13, 46, 13.12 は同時に水平を為す。
平衡状態においては P と Q との比は一定す。
12 は 17 の二倍、35 は 34 の二倍。
秤台 99、テコ 87, 45 は同時に水平を為しリンク 25, 76 の相等しき垂直リンクなり。平衡状態においては P と Q の比は一定す。
支点 7 はテコ 6.6 の中央、支点 1 はテコ 23 の中央にして左右の秤台 99, 99 とテコ 66, 23, 23 は水平に組合わされ左右同形なり。
左の秤台に載せたる荷物 P は右の秤台に載せたる同一重量の分銅 R と平衡す。