エンジニアリング用途で使用できる主なオープンソースなソフトウェアをまとめたリストです。
ソフトウェア名 | 種別 | ライセンス | 公式サイト | 概要 |
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FreeCAD | 形状作成 | LGPL Version2 | https://www.freecadweb.org/ | オープンソースの3次元CADです。フィーチャーベースのパラメトリックCADで、STEP 形式、IGES 形式、STL 形式、OBJ形式などのファイルに対応しています。CAD カーネルは Open Cascade Technology(OCCT)です。開発は個人を中心とした FreeCAD コミュニティーで行われており、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
OpenFOAM | 流体 | GPL Version3 | https://openfoam.org/、https://www.openfoam.com/ | 主に数値流体計算で使用される偏微分方程式ライブラリー、ソルバーです。パッケージ内に標準ソルバーが用意されているためプログラミングを行うことなく、流体の数値計算を実行することができます。開発元は The OpenFOAM Foundation 及び ESI Group で、対応 OS は Linux ですが、Widnwos、macOS でも動作させることができます。 |
ParaView | ポストプロセッサー | BSD | https://www.paraview.org/ | 3次元データ可視化ソフトウェアです。主に科学計算分野(流体計算、構造計算など)でのデータ可視化に使用されます。内部的にサーバー・クライアント構造で作成されていて、数億~数十億メッシュの大規模データでも可視化が可能です。開発元は Kitware, Inc、サンディア国立研究所、ロスアラモス国立研究所で、対応 OS は Linux、Widnwos、macOSです。 |
CalculiX | 構造 | GPL Version2+ | http://www.calculix.de/ | 構造計算分野で使用される有限要素法ソルバーです。ドイツのMTUエアロ・エンジンズ社の従業員チームによって開発されています。対応 OS は Linux、Irix ですがサード・パーティーによる Windows 版も入手可能です。 |
Palabos | 流体 | AGPL Version3 | http://www.palabos.org/ | 格子ボルツマン法に基づく流体計算ソルバー、ライブラリーです。開発は FlowKit 社とスイスのジュネーヴ大学で行なわれています。 |
OpenLB | 流体 | GPL Version2 | http://optilb.org/openlb/ | 格子ボルツマン法に基づく流体計算ソルバー、ライブラリーです。開発はドイツのカールスルーエ工科大学で行なわれています。macOS、Linux、Windows 上で動作します。 |
OpenModelica | 1次元解析 | GPL Version3 または OSMC パブリック・ライセンス | https://www.openmodelica.org/ | モデリング言語 Modelica のためのモデリング、シミュレーション環境です。GUI 上でコンポーネントを組み合わせてシステムを表現することでモデールベース設計(MBD)、1Dシミュレーションの実行、結果の表示ができます。Windows、Linux、macOS 上で動作します。 |
SALOME | プリプロセッサー | LGPL Version2.1 | http://www.salome-platform.org | 数値計算用の汎用プリプロセッサ・ポストプロセッサです。開発はフランス原子力庁(CEA)、フランス電力会社(EDF)、OpenCASCADE 社によって行なわれています。Linux、Windows で動作します。 |
Code_Aster | 構造 | GPL Version3 | https://www.code-aster.org | 構造解析・熱解析用のソルバーです。開発はフランス電力会社(EDF)によって行なわれており、Linux で動作します。 |
Code_Saturne | 流体 | GPL Version2+ | https://www.code-saturne.org | 流体解析用のソルバーです。開発はフランス電力会社(EDF)によって行なわれており、Linux で動作します。 |
SALOME-MECA | 構造 | GNU LGPL | https://www.code-aster.org/spip.php?article146 | 汎用プリプロセッサ・ポストプロセッサの「SALOME」と構造解析・熱解析ソルバー Code_Aster をパッケージとして組み合わせたもので、Code_Aster の開発元によって配布されています。Linux で動作します。 |
DAKOTA | 最適化 | LGPL、(GUI は Eclipse Public License) | https://dakota.sandia.gov/ | 最適化のためのアプリケーションソフトウェアで、GUI 上で定義した設定に従ってパラメータースタディー、最適化を行うことができます。開発はサンディア国立研究所で行われ、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
OpenMDAO | 最適化 | Apache Version 2.0 | http://openmdao.org/ | Python で書かれた設計解析、最適化のためのフレームワークです。開発元は NASA グレン研究センターです。 |
KiCAD | 回路設計 | GPL Version3+ | http://kicad-pcb.org/ | 電子回路設計とプリント基板のための CAD です。回路設計、PCBレイアウト、ガーバーファイル作成・確認などが行えます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
SOLVESPACE | 形状作成 | GPL Version3 | http://solvespace.com/index.pl | オープンソースの3次元CADです。パラメトリックCADで、STEP 形式、DXF 形式、STL 形式、OBJ形式などのファイルに対応しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
OpenSCAD | 形状作成 | GPL Version2 | http://www.openscad.org/ | テキストベースの3次元 CAD です。スクリプトを記述することで形状を定義することができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
MeshLab | 形状作成 | GPL Version3 | http://www.meshlab.net/ | 作成済みの2次元表面メッシュを編集するためのソフトウェアです。メッシュの可視化、編集、クリーニング、修復、フォーマット変換、点群からのメッシュ作成などで使用されます。開発はイタリアの Visual Computing Lab で行われていて、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。また iOS、Android のための機能限定バージョンもあります。 |
Blender | 形状作成 | GPL Version2+ | https://www.blender.org/ | CG 用のモデリングソフトウェアです。SPHベースの粒子法ソルバーやレイトレーシング機能(Cycles)が付属しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
Gmsh | メッシャー | GPL Version2+ | http://gmsh.info/ | 3次元メッシャーです。CAD 機能とポストプロセッシング機能も用意されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
Netgen/NGSolve | メッシャー、マルチフィジックス | LGPL Version2.1 | https://ngsolve.org/ | 3次元メッシャーの Netgen と、有限要素法ソルバーの NGSolve で構成されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
Impact | 構造 | GPL Version2 | Impact Finite Element Program download | SourceForge.net | 動的陽解法による構造解析ソルバーです。動的陽解法であるため、破断などの大変形の計算を行うことができます。 Linux、Widnwos、macOS など Java VMが動作する環境で動作します。 |
YADE | 離散要素法 | GPL Version2 | https://yade-dem.org/ | C++、Python で書かれた離散要素法(DEM)のためのフレームワークです。 |
Z88OS | 構造 | GPL Version2 | https://z88.de/ | テキストベースの有限要素法ソルバーで、静的線形解析を行うことができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
Elmer | マルチフィジックス | GPL Version2 | https://www.csc.fi/web/elmer | 流体、構造、電磁、伝熱、音響の解析を行うことができ、またそれらを連成することができます。開発はフィンランドの CSC – IT Center for Science で行われていて、対応 OS は Linux、Widnwos です。 |
SU2 | 流体 | LGPL Version2.1 | https://su2code.github.io/ | 流体の数値計算を実行することができます。Adjoint 法ベースの形状最適化機能があり、また流速の速い圧縮性の流体に向いていると言われています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
EnergyPlus | 電熱 | BSD | https://energyplus.net/ | テキストベースのソルバーで、暖房、クーラー、空調、照明を考慮した建築用のエネルギー計算を行うことができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
POV-Ray | 光 | AGPL Version3 | http://www.povray.org/ | レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
LuxCoreRender | 光 | Apache Version 2.0 | https://luxcorerender.org/ | レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。物理ベースでのレンダリングを標榜しています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
Radiance | 光 | Radiance Software License Version 1.0(BSD ライク) | https://www.radiance-online.org/ | レイトレーシングソフトウェアです。光を計算する事によって物体をリアルに描画することができます。計算がシンプルであり、設定が簡易である特徴があると公式ページでは説明されています。対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
dolfyn | 流体 | Apache Version 2.0 | https://www.dolfyn.net/dolfyn/index_en.html | 流体用ソルバーです。Linux 上で動作します。 |
OpenMX | 材料 | GPL Version2 | http://www.openmx-square.org/ | 密度汎関数理論(DFT)、ノルム保存型擬ポテンシャルなどに基づいた計算によりナノスケールの材料シミュレーションを行うことができます。Linux 上で動作します。 |
DualSPHysics | 流体 | LGPL Version2.1+ | https://dual.sphysics.org/ | 粒子法(SPH モデル)による流体用ソルバーです。粒子法ソルバーであるため界面が大変形するような混相流解析に向いています。対応 OS は Linux、Widnwos で、CPU だけでなく GPU での実行も可能です。 |
OpenDA | データ同化 | LGPL Version3 | https://www.openda.org/ | データ同化のためのフレームワークです。実験による測定データと数値モデルを組み合わせてモデルの改善を図ることができます。対応 OS は Linux、Widnwos です。 |
LAMMPS | 離散要素法 | GPL Version2 | https://lammps.sandia.gov/ | 主に材料モデリングを目的とした分子動力学計算用のソフトウェアで、並列性能に優れているとされています。サンディア国立研究所を中心に開発が進められており、対応 OS は Linux、Widnwos、macOS です。 |
LIGGGHTS | 離散要素法 | GPL Version2+ | https://www.cfdem.com/liggghts-open-source-discrete-element-method-particle-simulation-code | LAMMPS をベースに開発されている離散要素法(DEM)シミュレーターです。CADデータからの形状インポート、流体用メッシュの移動機能、熱連成機能などが追加されているそうです。対応 OS は Linux ですが、Widnwos、macOS でも動作させることができます。 |
preCICE | 連成計算用フレームワーク | GPL Version3 | https://www.precice.org/ | 複数種類のソルバーを組み合わせて1つの計算を行うためのフレームワークです。例えば OpenFOAM などの流体計算用ソルバーと CalculiX などの固体計算用ソルバーを組み合わせて、流体の流れの圧力によって変形する固体の状態を計算することなどができます。対応 OS は Linux です。 |