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OpenFOAM+ の Windows 10 へのインストール

更新:2018/7/20
OpenFOAM+ v1806

2016年8月のアニバーサリーアップデートから、Windows 10 に Windows Subsystem for Linux(旧称 Bash on Ubuntu on Windows、以下 WSL)が提供される様になりました。 これによって Windows 10 で OpenFOAM の公式バイナリーを使用することができる様になりました。ここでは Windows 10 に ESI 社 による拡張版 OpenFOAM である OpenFOAM+ をインストールし、実行する方法を説明します。

Windows 10 を最新状態に更新

Windows 10 を WSL に対応した状態にするために以下の手順で Windows Update を適用します。

デスクトップ左下の検索で「更新プログラムのチェック」と検索し、設定画面を開きます。

「更新プログラムのチェック」の検索 「更新プログラムのチェック」の検索

左側にある「Windows Update」を選択し、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。最新状態でない場合は更新プログラムが表示されるので「更新」をクリックしてインストールを行います。

更新プログラムのチェック 更新プログラムのチェック

Windows Subsystem for Linux の有効化

デスクトップ左下の検索で「Windows の機能の有効化または無効化」と検索し、設定画面を開きます。

「Windows の機能の有効化または無効化」の検索 「Windows の機能の有効化または無効化」の検索

「Windows Subsystem for Linux」にチェックをいれてインストールを開始します。インストールが終了したら画面の指示に従ってマシンを再起動します。

Windows Subsystem for Linux の有効化 Windows Subsystem for Linux の有効化

再起動したら、デスクトップ左下の検索で「開発者向け設定」と検索し、設定画面を開きます。

「開発者向け設定」の検索 「開発者向け設定」の検索

設定画面で「開発者モード」にチェックを入れて有効化します。

開発者向け設定 開発者向け設定

Ubuntu のインストール

次に Linux のディストリビューションの1つである Ubuntu (Ubuntu 16.04 LTS)をインストールします。

デスクトップ左下の検索で「Microsoft Store」と検索し、Microsoft Store を起動します。

「Microsoft Store」の検索 「Microsoft Store」の検索

Microsoft Store ウィンドウ右上の検索で「Linux」と検索し、「Windows で Linux を実行する」を開きます。

「Linux」の検索 「Linux」の検索
Windows で Linux を実行する Windows で Linux を実行する

ディストリビューションとして「Ubuntu」を選択し、「入手」を実行するとダウンロードが始まります。入手後、「起動」を実行すると Bash が起動します。

Ubuntu の起動 Ubuntu の起動

初回実行時のみインストール処理と、Unix ユーザーアカウントの作成が行われるので適当なユーザー名、パスワードでアカウントを作成します。以下の例ではユーザー名「MyName」としてアカウントを作成しています。パスワードは入力時には表示されないことに注意してください。

Installing, this may take a few minutes...
Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username.
For more information visit: https://aka.ms/wslusers
Enter new UNIX username:MyName
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
passwd: password updated successfully
Installation successful!
To run a command as administrator (user "root"), use "sudo ".
See "man sudo_root" for details.
ht@ht-PC:~$

以上で Ubuntu のインストールが終了しました。以降、適当なフォルダを開き、エクスプローラーのアドレス欄に「bash」と入力してエンターキーを押すとそのフォルダを作業フォルダとして Ubuntu の Bash が起動します。

エクスプローラーから Bash を起動 エクスプローラーから Bash を起動

OpenFOAM+ のインストール

OpenFOAM+ v1806 は SourceForge で配布されています。以下のサイトからファイル OpenFOAM-v1806-windows10.tgz をダウンロードします。

ダウンロードサイト:OpenFOAM+ v1806 ファイル - SourceForge

ダウンロードしたファイルを適当なフォルダに置き、そのフォルダで Bash を起動します。

まず以下のコマンドを実行して必要なサードパーティー製のツールをインストールします。既にインストール済みの場合にはこれらのコマンドは何もせずに終了されます。

$sudo apt install tar bison flex m4

次に以下のコマンドで OpenFOAM+ をディレクトリ /opt 以下に展開し、現在のユーザーを所有者に設定します。

$sudo tar -xvzf  OpenFOAM-v1806-windows10.tgz -C /opt/
$sudo chown -R $USER /opt/OpenFOAM

さらに以下のコマンドを実行すると OpenFOAM+ を使用できるようになります。

  • 次回の起動以降もデフォルトで OpenFOAM+ を使用したい場合

    $echo "source /opt/OpenFOAM/OpenFOAM-v1806/etc/bashrc" >> ~/.bashrc
    $source $HOME/.bashrc
    
  • 今回だけ OpenFOAM+ を使用したい場合(標準版の OpenFOAM をインストール済みでそちらを優先したい場合)

    $source /opt/OpenFOAM/OpenFOAM-v1806/etc/bashrc
    

インストールが終わったら動作確認を行います。「simpleFoam -help」と入力して以下の様にヘルプが表示されれば OpenFOAM+ は正常にインストールされています。

$simpleFoam -help

Usage: simpleFoam [OPTIONS]
options:
  -case <dir>       specify alternate case directory, default is the cwd
  -decomposeParDict <file>
                    read decomposePar dictionary from specified location
  -dry-run          Check case set-up only using a single time step
  -dry-run-write    Check case set-up and write only using a single time step
  -fileHandler <handler>
                    override the file handler type
  -hostRoots <(((host1 dir1) .. (hostN dirN))>
                    slave root directories (per host) for distributed running
  -noFunctionObjects
                    do not execute function objects
  -parallel         run in parallel
  -postProcess      Execute functionObjects only
  -roots <(dir1 .. dirN)>
                    slave root directories for distributed running
  -doc              display application documentation in browser
  -doc-source       display source code in browser
  -help             print usage information and exit
  -help-full        print full usage information and exit

Using: OpenFOAM-v1806 (see www.OpenFOAM.com)
Build: v1806
Arch:  "LSB;label=32;scalar=64"

Xming のインストール

gedit や ParaView(paraFoam)、gnuplot といった Linux 用の GUI アプリケーションを WSL から使用するためには X サーバーが必要です。以下のリンクから Windows 用 X サーバー「Xming」をダウンロードしてインストールします。Xming が起動されるとタスク・トレイに Xming のアイコンが表示されます。

Xming バージョン 6.9.0.31 インストーラー

Bash 上で以下の様に環境変数 DISPLAY を設定すると表示先として Xming が指定されます。この設定は Xming インストール後に1度だけ行います。

$echo "export DISPLAY=:0" >> $HOME/.bashrc
$source $HOME/.bashrc

次に Windows ログイン時に自動で Xming が起動するように設定します。Xming インストールフォルダ(デフォルトでは C:\Program Files (x86)\Xming )の「XLaunch.exe」をダブルクリックして起動します。

「Multiple windows」、「Display number」として0が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

ディスプレイ設定 ディスプレイ設定

「Start no client」が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。

Xming 起動方法 Xming 起動方法

「Clipboard」のみがチェックされていることを確認して「次へ」をクリックします。

パラメーター設定 パラメーター設定

「Save configuration」ボタンを押して、設定ファイル「config.xlaunch」をフォルダ「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」に保存します。保存したら「完了」ボタンを押して設定を終了します。以上で次回以降、マシン起動にXmingが自動で起動します。

ParaFoam の起動 設定ファイルの保存
config.xlaunch の保存 config.xlaunch の保存

以上で Linux 用の GUI アプリケーションが実行できます。gedit、gnuplot がインストールされていない場合は以下のコマンドでインストールします。ParaView(paraFoam)は OpenFOAM インストール時に一緒にインストールされています。

$sudo apt-get install gedit gedit-plugins
$sudo apt-get install gnuplot gnuplot-x11 gnuplot-doc libgd-tools

それぞれ以下のコマンドでウィンドウが正常に表示されることを確認します。

  • gedit
    $gedit &
    
  • gnuplot
    $gnuplot
    gnuplot>plot cos(x)
    gnuplot>quit
    
  • ParaView
    $paraview &
    

参照