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直接シミュレーション・モンテカルロ法による超音速流れの斜面への衝突

更新:2018/1/3
OpenFOAM 4.x

ケース

$FOAM_TUTORIALS/discreteMethods/dsmcFoam/wedge15Ma5

概要

直接シミュレーション・モンテカルロ(Direct Simulation Monte Carlo, DSMC)法を使って、酸素・窒素の混合気体の超音速流が斜面に衝突する様子を解析します。DSMC 法は1960年代に G. A. Bird によって提案された手法で、ボルツマン方程式を使って希薄気体の流れを計算するものです。

気体の物性などの設定はディレクトリ constant のファイル dsmcProperties で、初期状態はディレクトリ system のファイル dsmcInitialiseDict で定義されています。

モデル形状は以下の通りで、幅45.7 cm、高さ30.0 cm、奥行き0.84 cm です。境界のうち領域 flow は流速 (1736, 0, 0) m/s、領域 obstacle はすべり無し壁としています。

モデル形状 モデル形状

またディレクトリ system のファイル controlDict でファンクション・オブジェクトを使用して、各時刻で領域 obstacle に働く力とモーメントを出力するよう設定しています。これらの値はディレクトリ postProcessing/forces1/0 内にファイル forces.dat として出力されます。

ディレクトリ 0 にある各変数の意味は以下の通りです。

  • boundaryT - 境界温度
  • boundaryU - 境界速度
  • dsmcRhoN - DSMC粒子の密度
  • fD - 力密度(force Density、応力ベクトル)
  • q - 壁面熱流束
  • iDof - 内部自由度の密度
  • internalE - 内部エネルギー密度
  • linearKE - 1次運動エネルギー密度
  • momentum - 運動量密度
  • rhoM - 質量密度
  • rhoN - 数密度
  • dsmcSigmaTcRMax - 各セルでの「sigmaT × cR」の最大値(Bird p220 を参照)

計算前にはメッシュが作成されます。メッシュは以下の通りです。

メッシュ メッシュ

計算結果は以下の通りです。

運動量密度 運動量密度
内部エネルギー密度 内部エネルギー密度

また先に説明した通り、各時刻での領域 obstacle に働く力とモーメントがファイル postProcessing/forces1/0/forces.dat に出力されます。力とモーメントはそれぞれ圧力(pressure)、せん断応力(viscous)、多孔質体からの寄与(porous)に分けて出力されます。

実行コマンド

cp -r $FOAM_TUTORIALS/discreteMethods/dsmcFoam/wedge15Ma5
cd wedge15Ma5

blockMesh
decomposePar
mpirun -np 4 dsmcInitialise -parallel
mpirun -np 4 dsmcFoam -parallel
reconstructPar -noLagrangian

paraFoam

プロセッサーごとに分割したデータをコマンド reconstructPar で結合する際にオプション -noLagrangian を付けて不要なラグランジアン系のデータは結合しないようにしています。

計算時間

2分51.54秒 ※4並列、Inter(R) Core(TM) i7-2600 CPU @ 3.40GHz 3.40GHz

参照