次へ 上へ 前へ 目次へ
次へ:*MODEL CHANGE 上へ:Input deck format 前へ:*MODAL DAMPING 目次へ


*MODAL DYNAMIC

キーワードのタイプ:ステップ

このプロシージャを使用すると動的荷重下にある構造体の応答を計算することができます。ただし、動計算による変位計は非線形にできますが、このプロシージャは基本的には線形であり、応答は構造体の最低モードの線形結合で記述できると仮定しています。このため前もって *FREQUENCY,STORAGE=YES ステップでそれらのモードを計算しておく必要があります(同じ計算である必要はありません)。*MODAL DYNAMIC ステップでは固有周波数、モード、質量行列が「ジョブ名.eig」というファイルから読み込まれます。荷重の時間間隔はその前兆とインクリメント長さで特徴づけられます。各インクリメントでは荷重は線形であると見なされます。そのようにするとモデルの精度は別として解の精度が上がり、全ての固有モードを使用しなくて良くなります。使用される固有モードの数は以前の *FREQUENCY ステップのものが使用されます。モード動計算は摂動ステップなので古い荷重は全て取り除かれます。このステップで定義された荷重には、存在する場合には荷重カードの AMPLITUDE パラメーターでの指定に従って各荷重の振幅履歴がかけられます。振幅が適用されていない場合、全ての荷重はステップ開始時に適用されます。振幅の時間スケールを超える荷重履歴は一定のやり方で外挿されます。荷重カードで AMPLITUDE パラメーターが指定されていない場合には一定荷重になります。

オプションパラメーターは SOLVER、DIRECT、DELTMX、STEADY STATE の4つです。SOLVER は非ゼロ変位境界が存在する場合の定常状態解を求めるのに使用されるパッケージを決定します。設定できるのは以下のソルバーです。

デフォルトは「SGI、PARDISO、SPOOLES、TAUCS」の中でインストールされていて、リストで最初に来るものです。どれもインストールされていない場合はエラーになります。

SGI ソルバーは最速ですが、プロプライエタリです。もし SGI 製のハードウェアを所有していれば科学計算パッケージも持っているはずです。このパッケージには SGI 疎系ソルバーが含まれています。SPOOLES も非常に高速ですが複数コアで実行する機能がなく、解ける系のサイズは使用する RAM メモリーのサイズによって制約を受けます。RAM が2GBの場合には250,000までの式が解けます。TAUCS も良いですが、個人的には LLT 分解でしか使用したことがありません。この解法が適用できるのは陽な有限系だけです。このソルバーは複数コアでの実行機能があり LU 分解にも対応していますがあまりうまく実行できたことはありません。PARDISO は Intel 製のプロプライエタリなソルバーです。

パラメーター DIRECT と DELTMX は関連しています。パラメーター DIRECT はインクリメント・サイズを制御するもので、DIRECT=NO とするとインクリメントのサイズ が可変になります。可変サイズは、1インクリメント内での力の変化が DELTMX を超えないように決定されます。従って DIRECT=NO を設定する場合には必ず DELTMX の値を指定する必要があります。デフォルトでは DIRECT=YES(または引数なしの DIRECT 相当)です。後者の場合には DELTMX の値は無意味です。モード力は、系の力ベクトルと選択されている(質量規格化された)各固有モードをかけ合わせたスカラー値です。モード力の単位は力に長さの平方根をかけたものになります。

パラメーター STEADY STATE は定常状態に到達するまでモード動計算を続けるために使用されます。この場合には総時間間隔が1010に設定されるのでユーザーが指定する必要はありません。代わりにユーザーは解が定常状態であると判定するための最大許容相対誤差を定義します。例えばこの数値に0.01を設定すると、最大の解の変数(変位または温度ですが、解析タイプによって変わります)が変化が1%を下回った場合に定常会に到達したと判定されます。


1行目:

STEADY STATE が有効化されていない場合の2行目 STEADY STATE が有効化されている場合の2行目

例:
*MODAL DYNAMIC
1.E-5,1.E-4

上記では時間インクリメント10-5、時間間隔10-4のモード動プロシージャを定義しています。時間インクリメントは一定を保ちます。

例:
*MODAL DYNAMIC,STEADY STATE
1.E-5,1.E-2

上記では初期時間インクリメント10-5、相対誤差10-2のモード動プロシージャを定義しています。時間インクリメントは一定を保ちます。


サンプルファイル: beamdy1、beamdy2、beamdy3、beamdy4、beamdy5、beamdy6、beamdy17


次へ 上へ 前へ 目次へ
次へ:*MODEL CHANGE 上へ:Input deck format 前へ:*MODAL DAMPING 目次へ
guido dhondt 2016-03-08