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*VIEWFACTOR

キーワードのタイプ:ステップ

以前の実行時に計算した形態係数を再利用したり、将来使うために現在の形態係数を保存しておきたい場合があります。キーワード・カード *VIEWFACTOR を使用するとそれらの処理を行なうことができます。

オプションパラメーターは READ、WRITE、WRITE ONLY、NO CHANGE、INPUT、OUTPUT の6つです。READ/NO CHANGE と WRITE/WRITE ONLY は互いに排他です。つまり READ を指定した場合には WRITE、WRITE ONLY などを指定することはできません。これらパラメーターは以前の形態係数を読み込むのか(READ/NO CHANGE)、現在の計算での形態係数を将来利用するために保存するのか(WRITE/WRITE ONLY)を指定するためのものです。読み込む場合にはオプションパラメーター INPUT を、書き出す場合にはオプションパラメーター OUTPUT を使用できます。

READ、または NO CHANGE を指定した場合、パラメーター INPUT が使用されていなければ(以前の実行時に出力された)「ジョブ名.vwf」というバイナリーファイルから結果が読み込まれます。パラメーター INPUT が使用されている場合には形態係数を保存した任意のファイルに名前(最長126文字)を指定できます。ファイル名に空白文字が含まれる場合にはダブルコーテーションで囲み、ファイル名が124文字を超えないようにする必要があります。輻射をやり取りする面の形状は実際の実行時と完全に一致しなければなりません。またパラメーター NO CHANGE は前のステップと比較して形態係数が変化しないことを指定する以外は READ と同じ効果を持ちます。このパラメーターを選択すると輻射行列の LU 分解は繰り返されず、計算時間を大きく節約することができます。また自明なことですがこのパラメーターを計算の最初のステップで使用することはできません。

熱計算(キーワード *HEAT TRANSFER)では形態係数は各ステップの開始時に計算されます。これは輻射境界条件を各ステップで変更できるためです。形態係数がファイルから読み込まれない場合、つまり *VIEWFACTOR,READ カードや *VIEWFACTOR,NO CHANGE カードがステップ内に存在しない場合には形態係数が計算されます。熱機械計算(キーワード *COUPLED TEMPERATURE-DISPLACEMENT)では形態係数は各イテレーションの開始時に計算されます。これは前のイテレーションでの構造体の変形によって形態係数が変化する可能性があるためです。ただし形態係数をファイルから読み込んでいる場合には各イテレーションでの形態係数の再計算は無効化されます。この場合にはステップ全体で形態係数は変化しないものと仮定されます。

WRITE、または WRITE ONLY を指定した場合、パラメーター OUTPUT が使用されていなければ形態係数が「ジョブ名.vwf」というバイナリーファイルに保存されます。パラメーター OUTPUT が使用されている場合には形態係数を保存したファイルの名前(最長126文字)を指定できます。ファイルが既に存在する場合には書き込み処理の前に削除されます。ファイル名に空白文字が含まれる場合にはダブルコーテーションで囲み、ファイル名が123文字を超えないようにする必要があります。パラメーター OUTPUT を使用する場合は最初に WRITE、または WRITE ONLY パラメーターを指定する必要があることに注意してください。WRITE ONLY を指定すると形態係数の計算と保存を行なった後でプログラムは停止します。

*VIEWFACTOR カードはそれが記述されたステップ内でだけ有効です。


1行のみ:

例:
*VIEWFACTOR,WRITE

上記ではそのステップで計算された形態係数をファイルに保存します。

例:
*VIEWFACTOR,READ,INPUT=viewfactors.dat

上記ではファイル viewfactors.dat から形態係数を読み込みます。


サンプルファイル: furnace


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guido dhondt 2016-03-08