*HEAT TRANSFER
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*HEAT TRANSFER

キーワードのタイプ:ステップ

このプロシージャを使用すると純粋な熱伝達解析を行なうことができます。熱伝達解析は常に非線形解析になります。これは材料プロパティーが解、つまり温度に依存するためです。

オプションパラメーターは SOLVER、DIRECT、STEADY STATE、FREQUENCY、MODAL DYNAMIC、STORAGE、DELTMX、TIME RESET、TOTAL TIME AT START の9つです。

SOLVER は続く方程式系を解くのに使用されるパッケージを決定します。設定できるのは以下のソルバーです。

デフォルトは「SGI、PARDISO、SPOOLES、TAUCS」の中でインストールされていて、リストで最初に来るものです。どれもインストールされていない場合は CalculiX パッケージに同梱されている反復ソルバーがデフォルトになります。

SGI ソルバーは最速ですが、プロプライエタリです。もし SGI 製のハードウェアを所有していれば科学計算パッケージも持っているはずです。このパッケージには SGI 疎系ソルバーが含まれています。SPOOLES も非常に高速ですが複数コアで実行する機能がなく、解ける系のサイズは使用する RAM メモリーのサイズによって制約を受けます。RAM が2GBの場合には250,000までの式が解けます。TAUCS も良いですが、個人的には LLT 分解でしか使用したことがありません。この解法が適用できるのは陽な有限系だけです。このソルバーは複数コアでの実行機能があり LU 分解にも対応していますがあまりうまく実行できたことはありません。次に来るのが反復ソルバーです。SOLVER=ITERATIVE SCALING が選択されている場合には前処理は対角項のスケーリングに制限されます。SOLVER=ITERATIVE CHOLESKY では不完全コレスキー前処理が有効になります。コレスキー前処理によって収束性がよくなり、実行時間が短くなる可能性がありますが、この処理には行列の非ゼロ成分とおおよそ対応する量の追加記憶領域が必要になります。メモリーが足りない場合は対角スケーリングは最後の選択肢にした方がよいでしょう。反復法は完全な3次元構造体に対してはうまく動きます。例えば、半球の計算では ITERATIVE SCALING ソルバー設定の方が約9倍、また ITERATIVE CHOLESKY ソルバー設定の方が約3倍、SPOOLES よりも高速です。平板やシェルなどの2次元構造体では、効率は劇的に低下し、収束させるためにはしばしばコレスキー前処理が必要になります。薄い構造体を多用している場合のほとんどではSPOOLES(やその他の直接解法ソルバー)はうまく動きますが、反復ソルバーよりも多くの記憶領域が必要になります。PARDISO は Intel 製のプロプライエタリなソルバーです。

パラメーター DIRECT は自動インクリメントが無効であることを表します。インクリメントは、ユーザーによって2行目で指定された固定長さになります。

パラメーター STEADY STATE は定常状態だけを計算することを表します。このような解析の場合、デフォルトでは荷重は線形に適用されます。これ以外の荷重パターンは *AMPLITUDE カードで定義することができます。STEADY STATE パラメーターがない場合には計算は時間依存すると見なされ、非定常解析が行なわれます。非定常解析では関係する材料の比熱を設定する必要があり、またデフォルトではステップ開始時の完全な強さで荷重が適用されます。

静的ステップの場合、デフォルトでは荷重は線形に適用されます。これ以外の荷重パターンは *AMPLITUDE カードで定義することができます。

パラメーター FREQUENCY は周波数計算を行なうことを意味しています。周波数ステップでは同次支配方程式が解かれます。つまり荷重は適用されず、対応する固有周波数と固有モードが決定されます。このオプションは、音響計算などのヘルムホルツ型の問題を解くために熱伝達オプションが使用されている場合にとりわけ便利です。オプション FREQUENCY は(今のところは)周期対称性のある計算には適用できません。

パラメーター MODAL DYNAMIC は応答が系の固有モードの線形結合となる動計算で使用されます。このパラメーターは、同じデッキか以前の計算で事前に *HEAT TRANSFER, FREQUENCY,STORAGE=YES プロシージャを設定しておく必要があります。どちらの場合でも系の固有モードと固有値が保存された「ジョブ名.eig」という名前のファイルが作成されます。A MODAL DYNAMIC プロシージャは必ず線形でなければならず、また古典的波動方程式(時間の2次導関数で特徴づけられる、双曲線挙動を示すヘルムホルツ問題)を満たす問題であると理想的です。例えば線形音響計算などがそれに当たります。

パラメーター STORAGE は固有値、固有モード、質量・剛性行列をバイナリー形式で「ジョブ名.eig」というファイルに保存するかどうかを表します。このファイルは後で *MODAL DYNAMICS プロシージャまたは *STEADY STATE DYNAMICS プロシージャで使用するためのものです。デフォルトでは STORAGE=NO です。保存する必要がある場合は STORAGE=YES と指定してください。

パラメーター DELTMX を使用すると2つの連続するインクリメントでの温度変化を制限することができます。温度変化が DELTMX を超えた場合、DELTMX を DA 倍し、温度変化で割った数値でインクリメントが再度開始されます。DA のデフォルトは0.85ですが、この値は *CONTROLS キーワードで変更できます。DELTMX は非定常計算でだけ有効で、デフォルト値は 1030 です。

パラメーター TIME RESET は現在のステップ終了時の総時間が、前のステップ終了時の総時間と一致するように指定するのに使用します。前のステップがない場合は目標総時間はゼロになります。このパラメーターが指定されていない場合には現在のステップ終了時の総時間は、前のステップ終了時の総時間に現在のステップでの時間間隔を足したものになります(*HEAT TRANSFER キーワードの下の2番目のパラメーター)。つまり前のステップ終了時の時刻が10で、現在の時間間隔が1の場合には現在のステップ終了時の総時間は11になります。TIME RESET パラメーターが使用されている場合には現在のステップ開始時の総時間は9になり、現在のステップ終了時に10になります。非定常な熱伝達計算を行なう際に、まず定常的な熱伝達ステップで定常状態に達するまで計算し、その後でその状態を初期条件に非定常な熱伝達計算を始める場合などにこの機能は便利です。定常ステップ(計算の最初のステップ)で TIME RESET パラメーターをしよすれば続く非定常ステップの開始時に総時間をゼロにすることができるのです。

パラメーター TOTAL TIME AT START を使うとステップ開始時の総時間に特定の値を設定できます。


1行目:

FREQUENCY も MODAL DYNAMIC も選択されていない場合の2行目

例:

*HEAT TRANSFER,DIRECT
.1,1.

上記では静的ステップを定義し、そのステップでの線形方程式ソルバーとして SPOOLES ソルバーを設定しています(デフォルト)。2行目は初期時間インクリメントが0.1、総時間ステップ1.0であることを意味しています。またパラメーター DIRECT で固定時間インクリメントを設定しています。したがって成功した場合には系さんは長さ0.1のインクリメント10個で構成されることになります。


サンプルファイル: beamhtcr、oneel20fi、oneel20rs


FREQUENCY が選択されている場合の2行目

例:
*HEAT TRANSFER,FREQUENCY
8

上記では熱伝達方程式のための周波数ステップを定義し、最低値側から8つの固有値と対応する固有モードを計算しています。熱伝達方程式では固有値λと固有周波数ωの間には以下の関係があることに注意してください。

λ=-iω (340)

一方、音響問題などのヘルムホルツ方程式を解くために熱伝達オプションが使用されている場合、弾性力学での同じ関係である以下が適用されます。

λ=ω2 (341)

MODAL DYNAMIC が選択されている場合の2行目


サンプルファイル: aircolumn


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guido dhondt 2016-03-08